「モネ 睡蓮のとき」展覧会レポート!モネの晩年作品にどっぷり浸ってきた

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「モネ 睡蓮のとき」展覧会レポート!モネの晩年作品に浸る特別なひととき

こんにちは、東京散歩ぽです!

上野の国立西洋美術館にて、印象派を代表する画家のひとり、クロード・モネ(1840-1926)の晩年に焦点をあてた展覧会「モネ 睡蓮のとき」が2024年10月5日(土)から2025年2月11日(火・祝)まで開催。開催に先駆けて行われたメディア向け内覧会を取材してきました。

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上野・国立西洋美術館へ

上野・国立西洋美術館 外観

JR線「上野駅」公園改札から徒歩1分の国立西洋美術館にやってきました。世界文化遺産に登録された本館は言わずと知れたル・コルビュジエの建築作品です。

4つの章とエピローグからなる「モネ 睡蓮のとき」

「モネ 睡蓮のとき」会場マップ

「モネ 睡蓮のとき」の会場マップはこちら。

会場は地下2階と地下3階にあり、4つの章とエピローグから構成されています。

「モネ 睡蓮のとき」音声ガイド

音声ガイド(当日貸出価格:650円税込)の日本語版ナビゲーターは、同展のアンバサダーで俳優の石田ゆり子さんが務めています。石田さんは今年6月に開催された同展の記者会見でもモネへの思いを話していました。

「モネ 睡蓮のとき」

入口入ると、モネの頭の影が睡蓮の池に映る印象的な写真が飾られています。

内覧会に先駆けて登壇した本展の監修者でマルモッタン・モネ美術館コレクション部長文化財主任学芸員のシルヴィ・カルリエさんによると、この写真はモネの視点を通して水の風景や水辺に生息する植物に沿って、モネとともに水の風景を進んでいくようなこの展覧会全体の意図を視覚的に見せてくれる写真なのだそうです。

続いてシルヴィさんは「モネは1909年にパリのデュラン=リュエル画廊にて行われた「睡蓮、水の風景連作」という個展に48点の作品を出品しました。この「水の風景」という言葉は、今回の展覧会のフランス語タイトルにも入っているものです。このタイトルは鑑賞者を池とその周りに咲く植物の周りに見ているものも次第に没入させていくという私たちの展覧会のもとに合致するものであります。今回の展覧会は、モネの作品の水と水辺の植物の関わりからより深く理解していく良い機会になっていると思います」と挨拶しました。

第1章「セーヌ河から睡蓮の池へ」

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

第1章「セーヌ河から睡蓮の池へ」では、セーヌ河を描いた連作から水辺を描いた初期の連作までを展示しています。

モネは1890年(50歳)の時にそれまで借りていたノルマンディー地方のジヴェルニーの邸宅と庭に購入しますが、1890年代後半の主なモチーフはロンドンの風景やセーヌ河の水辺の風景だったと言います。この章ではモネが水と水面に映し出される光や大気を追求した流れを紹介。睡蓮の花を描いた最初期の貴重な作例も展示されています。

第2章「水と花々の装飾」

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

第2章ではモネの花のモチーフに焦点を当てています。特に自宅の池に架かる太鼓橋の藤棚に這う藤や、岸辺に咲くアガパンサスの花々の作品が目を引きます。

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

中でも1919年〜1920年(モネが79〜80歳頃の時!)に描いた帯状装飾(フリーズ)と呼ばれる連作「藤」の大作2点は圧巻です!

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

会場内にはベンチが点在しているので、モネの作品をゆっくり鑑賞しながら音声ガイドを聴いている方もいました。

第3章 大装飾画の道

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

続いて地下3階に降りた先にある第3章の部屋は「大装飾画の道」。このエリアのみ写真撮影が可能(ただし個人利用に限る)です。

こちらの部屋では、パリのオランジュリー美術館のように睡蓮の池を描いた大装飾画を楕円形の部屋の壁にぐるりと覆うように展示しています。

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

モネは晩年の10年以上の時間をかけて数百点以上の睡蓮の作品を制作したといいます。部屋の一角には、2016年に上部の半分以上が欠損した状態で再発見された旧松方コレクションの作品「睡蓮、柳の反映」も展示(※東京会場のみ出品)。

本展の日本側監修者で国立西洋美術館研究員の山枡あおいさんは「4メートル以上の巨大な装飾パネルとしては唯一、生前に売却することを認めた大変貴重な作品になります。同じモチーフを描いたマルモッタンモネ美術館の作品も隣り合わせに展示されますので、ぜひ見比べながらその作品の在りし日の画面に思いを馳せていただければと思います」とこの章の見どころを話していました。

第4章 交響する色彩

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

第4章「交響する色彩」では大装飾画の制作と並行して手掛けられた小型の連作群が展示されています。その一角には池に掛けられた太鼓橋の上に佇むモネを写した写真も。

ジヴェルニーのモネの家と庭の見取り図。「睡蓮の池」や「太鼓橋」「枝垂れ柳」など、晩年の作品のモチーフは自宅のお庭だったことがよく分かります。邸宅には第1のアトリエから第3のアトリエまで、3つのアトリエがあったそう。

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

晩年は白内障の症状に苦しみながらも制作活動を続けたモネ。葛飾北斎や喜多川歌麿の浮世絵版画から着想を得た「日本の橋」をはじめ、「ばらの小道」「枝垂れ柳」など、鮮烈な色彩の作品が多く展示されています。

エピローグ「さかさまの世界」

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

「モネ 睡蓮のとき」展示風景、国立西洋美術館、2024-2025年

エピローグは「さかさまの世界」として1916年〜1919年頃の作品「枝垂れ柳と睡蓮の池」と「睡蓮」の2点の作品で終りを迎えます。

日本側監修者で国立西洋美術館研究員の山枡あおいさんによると、制作時期が第一次世界大戦中ということもあり、モチーフとなった枝垂れ柳の木が、まるで涙を流すような姿から「悲しみの象徴」としても解釈されているそうです。

大型の作品はいずれの作品も力強く、モネの世界観にどっぷりと浸れる展覧会となっていました。

展覧会「モネ 睡蓮のとき」は東京開催のあと、2025年3月7日(金)〜6月8(日)まで京都市京セラ美術館で、2025年6月21日(土)〜9月15日(月祝)までは愛知県の豊田市美術館で開催される予定です。

展覧会特設ショップのおみやげ

「モネ 睡蓮のとき」特設ショップ

出口を進んで1階の展覧会特設ショップでは、展覧会図録(3,200円税込)をはじめ、様々な関連グッズを販売しています。

お手頃なポストカードは1枚165円から。一部の商品は「日テレポシュレ本店」でもオンラインで購入できます。

同展アンバサダーの石田ゆり子さんとイラストレーター、Shogo Sekineさんがタッグを組んだアンバサダーコラボのシルクスカーフをはじめ、石田さんプロデュースのグッズも多数販売していました。

「モネ 睡蓮のとき」 企画展特別コース 「CAFÉ すいれん」

国立西洋美術館内にある「CAFÉ すいれん」では、「モネ睡蓮のとき」企画展特別コース(3,900円税込※予約は終日不可)が会期中に1日12食限定で販売されています。中庭を眺めながらのランチも楽しそう!

【コース内容】
◎前菜盛り合わせ
◎シャンピニオン・ド・パリと蕪のスープ
◎合鴨のロースト レモン風味
◎レアチーズタルト 睡蓮仕立て
◎コーヒーまたは紅茶

「モネ 睡蓮のとき」 コラボメニュー「ひたる。モネに。アトレに。」

さらに JR上野駅直結のショッピングセンター「アトレ上野」では、「ハードロックカフェ」、「アンデルセン」、「ブラッスリー・レカン」など17店舗で、「モネ 睡蓮のとき」×「アトレ上野」 コラボメニュー「ひたる。モネに。アトレに。」を展開。コラボメニューを注文すると、展覧会オリジナルステッカープレゼントがもらえるそうです。

展覧会は、入場するのに待ち時間が発生する場合もあるそうなので、行かれる際は前売りチケットの購入がおすすめです!

モネ 睡蓮のとき Le dernier Monet : Paysages d’eau|日本テレビ(公式サイト)

モネ 睡蓮のとき

会期:2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火・祝)
開館時間:9:30〜17:30(金・土曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、10月15日(火)、11月5日(火)、12月28日(土)〜2025年1月1日(水・祝)、1月14日(火)(ただし、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)、2025年1月13日(月・祝)、2月10日(月)、2月11日(火・祝)は開館)
東京展 チケット情報:
一般2,300円(2,100円)
大学生1,400円(1,300円)
高校生1,000円(900円)
※( )内は前売料金
会場:国立西洋美術館(所在地:東京都台東区上野公園7-7)
主催:国立西洋美術館、マルモッタン・モネ美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社、BS日テレ
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
特別協賛:大成建設
協賛:第一生命グループ、光村印刷、SOMPOホールディングス
協力:日本貨物航空、NX 日本通運、TOKYO MX、TOKYO FM、ニッポン放送、西洋美術振興財団
企画協力:NTVヨーロッパ

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