北海道の東部、根室半島の付け根に位置する「風蓮湖」は、淡水と海水が混じり合う汽水湖としてラムサール条約にも登録されています。湿原と干潟が複雑に入り組み、冬になると一面凍結してしまうこの湖では、地元漁師によって氷下待ち網漁(こおりしたまちあみりょう)という伝統的な漁がこの時期だけ行われています。
この日は風蓮湖でボートクルーズやスノーモービルクルーズツアーなどを企画している「North Cruise(ノース クルーズ)」小向純一さんのもと、氷下待ち網漁がどのように行われているのか、特別に取材してきました。
本記事は世界文化社運営のメディア「レアニッポン」にて2019年3月に掲載されたものですが、「レアニッポン」閉鎖に伴い、当ブログに記事を移行し加筆しました。
伝統漁「風蓮湖の氷下待ち網漁」を体験したかった!
氷下待ち網漁とは、氷にチェーンソーで網を仕掛ける穴と網を引っ張るための穴を開け、群れを手網で誘導し、箱網に集める漁です。ポイントに到着してみると、まだどこにも穴は開いていません。これから開けるのかな?
実は穴はすでに開けられていて、目隠しの板を外すと、およそ50×200cmほどの穴があらわになりました。この中に網が仕掛けられているのか!
聞くところによると、この日は干潮ということでそれほど多くはなかったそうですが、シーズン最盛期となる1月には、1日にカゴ10杯から20杯ほどの魚が獲れるそうです。獲れた魚は市場でセリにかけられ、その後、お店で販売されます。
魚が豊富に獲れる風蓮湖周辺では、国の天然記念物タンチョウやオオハクチョウなど、冬の渡り鳥が多く生息する、まさに野鳥たちの楽園。風蓮湖の「氷下待ち網漁」は現在、見学できるツアーの企画を検討しているそうです。
風蓮湖をスノーモービルで疾走したかった!
そんな冬の風蓮湖では、スノーモービルで走り抜けるアクティビティが人気です。
季節によって、さまざまな表情を見せる風蓮湖。バードウォッチングやネイチャークルーズをする人たちにとっても絶好のスポットです。
取材協力:根室振興局
North Cruise
URL:https://northcruise56.wixsite.com/northcruise
スノーモービルクルーズは1人1時間6000円。お申し込みはメールにて。
メールアドレス:northcruise56@gmail.com
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