世界自然遺産の知床の玄関口、北海道の羅臼港にやってきました。2月から3月にかけて、ここ羅臼港から観光船で知床・羅臼沖を巡る流氷とバードウォッチングクルーズが人気です。
本記事は世界文化社運営のメディア「レアニッポン」にて2019年2月に掲載されたものですが、「レアニッポン」閉鎖に伴い、当ブログに記事を移行し加筆しました。
羅臼港から観光船に乗船

羅臼港の観光船乗り場
根室・中標津空港から車を走らせること1時間ちょっと。羅臼港の観光船乗り場に到着しました。

観光船「アルラン3世」
乗船した「アルラン3世」は、羅臼港の観光船第一号で、唯一の高速観光船です。
この日は午前9時出航の「通常コース」に参加しました。この他に、日の出が見られる「早朝コース」があります。所要時間は約2時間30分から3時間のクルーズです。

港の海はすでに凍っていた
さて、流氷を見るぞっ!救命胴衣を装着して乗船すると、港の海はもう凍っているじゃないですか!

氷の上にちょこんとウミドリのつがいが羽休めしていました
流氷に向けていざ出航!

羅臼沖の流氷に向けて、いよいよ出航です!

かもめやウミドリたちと併走して沖に向かいます
2月はかなりの寒さです。船内には休憩できる船室もありますが、最大限の防寒をしていきましょう。

船で一休みするウミドリ

船尾からは、羅臼岳の雄大な姿も

船を走らせることおよそ10分。沖合に白く浮かんだ流氷が見えてきました!

これが流氷!その向こう側には北方領土の国後島が見えます!

一面に広がる流氷
オホーツク海で生まれた流氷が海流に乗って、この地に流れ着くのは毎年1月から3月の終わり頃。
あたり一面を覆い尽くす流氷の姿は壮観です。

流氷の中を進みます
この流氷クルーズはただ見るだけではありません。流氷の上をガンガン突き進んでいきます。
オジロワシ・オオワシの群れが間近で見られる!

流氷と同時に現れるのは国の天然記念物・国内希少野生動物種に指定されているオオワシとオジロワシの群れ!

給餌している姿が見られる
船頭さんたちが鳥たちに給餌しています。オオワシとオジロワシは年々減少しているそうで、給餌することで越冬をしに知床に集まる鳥たちを保護しているそうです。

この日は数十羽のオオワシとオジロワシが群れをなしていました

日本最大の猛禽類・オオワシの堂々とした姿
たくさんのオオワシがこんなに近くに!というくらい、鳥たちの距離と数に圧倒されます!

羽ばたくオジロワシ。翼の長さは最長2m以上にもなるとか
餌を狙って、上空高くまで上がったかと思えば、一気に急降下して低空飛行するなど、鳥たちの一挙一動が垣間見られます。

時間をたっぷりかけて流氷に佇むオオワシとオジロワシの姿を観察、撮影できます

せりたった流氷の上に乗るオオワシがかっこいい!

時間いっぱいまで、知床の流氷を楽しみました
夏はホエールウォッチングクルーズが楽しめる

知床アルランを運営するのは「羅臼の宿まるみ」のご主人、湊謙一さん。宿泊と同時に観光船を予約すると、どちらも10%引き

専用バスで宿まで送迎してくれます
オオワシとオジロワシが多く見られるのは毎年1月下旬から3月半ばごろまで。春から夏にかけてはシャチやミンククジラ、マッコウクジラが見られるホエールウォッチングクルーズも人気なんですって。
知床・羅臼沖のクルーズは、遠く北の海から、はるばる流れ着くダイナミックな流氷と、越冬をしに訪れる野性味溢れる鳥たちを間近で眺めることができるなど、あらためて世界自然遺産「知床」の偉大さを肌で感じることができる貴重なネイチャークルーズでした。
取材協力:根室振興局
羅臼沖クルーズ (知床アルラン)
URL:http://shiretoko.life/
TEL:080-5581-0303 (知床アルラン・この番号からの予約で乗船料が10%引き)
出港時刻:早朝コース(日の出の1時間〜30分前出航)、通常コース(午前9時出航)
乗船料(羅臼沖合航路、知床岬航路):大人9000円、子ども4500円 (幼児は無料)
※流氷の状況や海の状況により運休の場合あり