飛騨神岡を街歩き。創業180年の老舗酒蔵と水屋を巡る

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こんにちは、東京散歩ぽです!

前回に引き続き、岐阜県飛騨市神岡町の旅をお伝えしています。「高原郷土館(神岡城)」の見学後は神岡町を実際に歩いてみました。

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神岡街歩きガイドの吉村さん

アテンドは飛騨市観光協会で街歩きガイドをしている吉村修一さん。以前「神岡町役場」として使用されていた「神岡振興事務所」からスタートです。

神岡町といえば、ニュートリノの研究でノーベル物理学賞をもたらした東京大学宇宙線研究所が運用する世界最大の地下ニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」のお膝元の町。

「スーパーカミオカンデ」は神岡にある山頂から地下1,000mのところにあり、微弱な光をキャッチする直径50cmの「高電子増倍管」が1万1500個ついているという規格外の観測装置があるんですね。

駐車場の青のラインと緑のラインが引かれていました。

吉村さんによると、青のラインは「スーパーカミオカンデ」の直径(40m)を表していて、緑のラインは現在建設中で2027年度に観測開始予定の「ハイパーカミオカンデ」の直径(68m)を表しているそう。とんでもない大きさですね。

町の中心を流れる高原川にかかる「藤波橋(藤橋)」は昭和5年に架けられた鉄橋。

およそ500年くらい前からここには橋が架かっていたそうで、神岡では重要な橋だったそうです。その昔は藤のつるで橋が作られていたことから「藤橋」と呼ばれていたそう。

川沿いにはせり出すように家が建てられているところもありました。

神岡鉱山が盛んだった頃、ここは産業道路で廃石などで埋め立てられていた時期もあったそう。家を建て替える計画もあったそうですが、生まれ育った場所を離れたくないとの声もあり、船津花崗岩の岩盤を土台にこうした家々が建てられたそうです。

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創業180年の大坪酒造店

そんな藤波橋のすぐ近くに天保13年(1842年)から180年以上続く老舗酒蔵「大坪酒造店」があります。

歴史ある酒蔵では「飛騨娘」「辛口神代」などの日本酒を製造・販売しています。

江戸時代から続く建物は、いまなお健在。囲炉裏もありました。

その奥には、建物内に石垣が見られます。こちらもなかなか見られない光景。

高低差のある地形からこうした造りになっているそう。

立派な蔵の入口。

石垣横の階段を上がった上にはまだ蔵が続いています。

さらに奥に進んで、外に出たところで立派な日本家屋が見えてきました。

十二代目ご主人の大坪和己さん

十二代目ご主人の大坪和己さん

こちらは120年ほど前に建てられた別邸。4年前には登録有形文化財に指定されました。

少し低くなった入口を抜けるとお茶会ができそうな立派な和室も。

中へ進むと立派な和室がいくつもあり、当時はお客さんを招く迎賓館として使用されていたそうです。

ガラスは当時のまま、懐かしい歪みがあります。

中の庭園もこれまた立派。

ご主人によると先々代は京都のお公家さんだったそうで、京都をイメージして日本各地から石が運ばれたそうです。昔ながらの佇まいが残る大坪酒造店でした。

さらに街歩きが続きます。山あいの町なので、こうした階段が見られるのも大きな特徴ですね。

牛ヶ口水屋

町の各所に8つほどある水屋にも訪れました。

「牛ヶ口水屋」は300年前から地元の人々が使う水源。野菜を洗ったりスイカなどの果物を冷やしたり、ビールも頃合いに冷えるそう。

約2時間の飛騨神岡街歩きはこれで終了。

町の中心を流れる高原川と神岡城の天守閣が見える景色はどこから見ても絵になる光景でした。

次回は飛騨古川の町を歩きます。

取材協力:飛騨市

飛騨市公式観光サイト「飛騨の旅」

今回の街歩きルートはこちら!

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