【動画配信あり】映画『築地ワンダーランド』感想、築地は江戸時代からの文化が今この瞬間にも活き続けている特別な場所

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2016年10月1日(土)から先行上映、10月15日(土)から全国ロードショーとなる映画『築地ワンダーランド』の完成披露試写会にご招待いただき、一足先に見てきました。

今年11月にも豊洲への移転が決まってた「築地市場」。諸々の問題が明るみに出て移転は延期されましたがそんな中、2016年10月15日(土)から全国公開される映画『築地ワンダーランド』は「築地」の魅力を余すところなく伝えているドキュメンタリー映画です。

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もともと日本橋にあった魚河岸は関東大震災を機に1935年に築地へ移転され80年以上が経過しています。『築地ワンダーランド』は撮影期間約500日(約1年4か月)にも及ぶ長期取材を敢行。150人以上の仲卸、料理人にインタビューし築地の魅力を伝えています。

築地で働く人たちのプロフェッショナル精神

圧倒されるのはその映像美です。市場内ではステディカムで撮影され流れるような映像がドキュメンタリー性を緩和させて、まるで大きな群像劇の物語を見ているかのように築地で働く人々を映し出しています。

 

その中で強く訴えかけるのはそこで働く人たちのプロフェッショナル精神と伝統でした。

「築地」は魚を売り買いする場所。そんな風に思う方も多いかも知れません。
実際、僕もそう思ってたんですが、全く違いました。

言うなれば築地はそこで働く人々の信頼を売り買いしている市場です。

仲卸の人は少しでも良い品を料理人に届ける。
そこには大きな信頼関係が築かれていて仲卸もそれを買う料理人もその人の目利きや情熱を同時に買っているんです。だから信用している人にはとっておきの食材を事前に取り置きしておくことも日常的あるとか。

日に変わる魚の状態の情報はインターネットに載っていません。仲卸のプロフェッショナルが地道に足で稼いだ情報を自分で分析して料理人に詳細を話したりしてるんですよね。
本編では仲卸の方とそこから魚を買う、料理人の会話シーンが数多く収録されているんですが「あの魚は素晴らしい、美味しかった!」とかそうした会話が信頼を強固なものにしています。

インタビューでは仲卸さんや名だたる鮨職人、和食・西洋料理の料理人のインタビューが流れるんですけど、すごく心に残っているシーンがあって四谷に店を構える「すし匠」の主人・中澤圭三さんが「築地は魚を売ってるんじゃない。人間を売ってるんだ。」というセリフがこの「築地」で働く人々がいかにプロフェッショナルかということを言いあらわしていると感じました。

江戸時代から続く伝統

日本橋魚河岸時代から脈々と続いてきた伝統と文化が今でも築地には息づいていて本編ではその片鱗が多く映し出されています。それはセリの場面でもあり、築地で働く人々の売り買いの会話の場面であり。また年に1回行われという貴重なセリの光景も映し出されています。

銀座には歌舞伎座という世界に誇れる文化がありますが「築地」はこんなにも強力に伝統を受け継いでいる場所とは知りませんでした。

まさに「築地市場」は江戸時代からの文化が今この瞬間にも活き続けている特別な場所だったんですね。

豊洲移転前にこの作品を見ることができて日本人として本当に誇らしく思いました。

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↑完成披露試写会に登壇した遠藤尚太郎監督(写真左)、服部幸應さん、仲卸の島津修さん(写真右)。

この「豊洲市場」の春夏秋冬を圧倒的な臨場感で見ることもできるのは遠藤監督ら撮影スタッフも長期ロケよって築地で働く人たちとの信頼を得られたということがかなり大きいでしょう。ものすごいパワーのある映像をこれだけ自然に見せる日本のドキュメンタリーはなかなかありません。まさに世界に誇れる極上のドキュメンタリー作品となってます。

そして築地の食材を使った美味しそうな鮨、天ぷらが数多く出てきます。

これを見たら美味しいお鮨を食べに行きたくなりますよ!

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