こんにちは、東京散歩ぽです!
株式会社日本食糧新聞社は「令和6年度(第43回)食品ヒット大賞」を発表。今回は都内で開催された贈呈式を取材してきました。
目次
3年ぶり「食品ヒット大賞」は「キリンビール 晴れ風」が受賞
株式会社日本食糧新聞社主催の「食品ヒット大賞」は、1982年(昭和57年)に「日本食糧新聞」創刊40周年を記念して制定され、毎年1回食品業界でその年に最もヒットした製品を、全国の小売・卸売・量販店などのモニター企業88社の推薦商品(今回は計1462件)の中から同社の選考委員会で審査して決定するというもの。
昨年、一昨年は該当商品無しだった「食品ヒット大賞」ですが、今年は3年ぶりに「キリンビール 晴れ風」が「第43回 食品ヒット大賞」を受賞しました。
担当者の方によると「改めてビールに魅力を感じてもらいたいなと思い、飲みやすさと美味しさを両立できたことと、『晴れ風』を購入することで桜の保全や花火大会の運営資金が各自治体へ自動的に寄付される仕組み『晴れ風ACTION』が、若い人を中心に共感が得られたことが大きかった」と話していました。『晴れ風ACTION』の寄付金は、昨年だけで1億円以上も集まったそうです。
「晴れ風ACTION」について贈呈式に登壇したキリンビール株式会社 代表取締役社長の堀口 英樹さんは「ビールと共に楽しまれてきましたお花見といった日本の風物詩が資金難や高齢化などの中で未来に受け継いでいくことが難しい状況になっているという現状です。ビール事業を営む企業として、これまでビールを飲む歓びを広げていただいた日本の風物詩に少しでも恩返しができたらなという思いから、継承を支援するアクションをご提案させていただきました」と話していました。

当日は「優秀ヒット賞」「ロングセラー賞」「昭和100年記念ロングセラー特別賞」など、総勢28品の食品や飲料を紹介するブースが集結しました。今回はその中でも特に気になった商品をお伝えします。
優秀ヒット賞(一般加工食品部門)
カップ入りお茶漬け(株式会社永谷園)
昨年9月に発売された永谷園の「カップ入りお茶漬け」は、フリーズドライご飯を使った今までにありそうでなかった商品。国産コシヒカリを使用してお茶漬けのお米の粒感を再現するのに苦労したそうです。
パスタキューブ(R)(味の素株式会社)
「パスタキューブ(R)」は、フライパンひとつで簡単にできるキューブ型のパスタ味付け調味料。具材を炒めて、乾麺と水とこのキューブを一緒に煮込めば、出来上がり!試供品をいただいたので、実際に作ってみると味が染み染みなスープパスタのようでおいしかったです。
もう揚げない!!焼き天ぷらの素(昭和産業株式会社)
「もう揚げない!!焼き天ぷらの素」は、水で溶いた天ぷらの素に素材をつけてフライパンで焼くだけで揚げたてのような天ぷらができる商品。使うのは油大さじ3杯だけということで、少ない油で後片付けも簡単なことから若年層からシニア層まで支持を得られたそうです。
「休日のシチュー」(ハウス食品株式会社)
ハウス食品の「休日のシチュー」。「クリーム」は小麦粉と2種のデンプンを使用。「ビーフ用」は米粉を採用していて、あっさりとした「コクがあるのに重くない」シチューとして評価を得たといいます。
優秀ヒット賞(チルド食品・フローズン食品部門)
白子のようなビヨンドとうふ(相模屋食料株式会社)
「BEYOND TOFU」の第2弾は、高級白子を豆腐で再現。試食してみたんですが、魚介の風味が効いて「白子」の味わいそのもの!
紅葉おろしやポン酢などを食べれば、夜のお酒のおつまみでも十分楽しめそうです。
本当に旨い担々麺(株式会社ニチレイフーズ)
「本当に旨い担々麺」は、水を入れて温める「汁あり担々麺」に、水を入れずに温めれば「汁なし担々麺」と気分によって変えられるのが楽しい冷凍食品。「汁なし担々麺」を試食しましたが、かなり濃厚。自宅でもおいしい担々麺が食べられますね。
優秀ヒット賞(菓子・パン部門)
ラングレイス(株式会社ブルボン)
「ラングレイス」は、「ルマンド」の技術を応用したチョコレートコーティングのラングドシャ。「ルマンド」はうちのカミさんも大好きで、何個あってもすぐになるなる我が家のロングセラーでもあります。これからもいろいろなシリーズを出してほしいです!
ロングセラー賞
オールレーズン(株式会社東ハト)
東ハトの「オールレーズン」は1972年(昭和47年)発売のロングセラー商品。これまで5回リニューアルをしているそうで(前回は2022年)しっとりとした口当たりがおやつにピッタリです。さらに2020年発売の「オールクランベリー」を試食でいただいたんですが、クランベリーの甘酸っぱさがあと引く一品でした。
サッポロ一番 カップスター(サンヨー食品株式会社)
1975年(昭和50年)に発売して今年50周年の「サッポロ一番 カップスター」。いまは醤油をはじめ、味噌、カレーうどん、旨塩、豚骨のほか、2021年からは海老天そば、きつねうどんと和風味もあるんですね。旨塩、豚骨は東京ではなかなか見られないので、今後はぜひ進出してほしいです。
コアラのマーチ(株式会社ロッテ)
1984年(昭和59年)に発売開始した「コアラのマーチ」も僕が小学校低学年の時に発売して以来、息の長い商品ですよね。懐かしさも感じながらも最近は「いちご」味もあるそうで、こちらもおいしい。これからも食べ続けます!
昭和100年記念ロングセラー特別賞
三ツ矢サイダー(アサヒ飲料株式会社)
今年は「昭和100年」に当たる年ということで、昭和100年記念ロングセラー特別賞を制定。1884年(明治17年)に誕生して昨年、発売140周年を迎えた「三ツ矢サイダー」が受賞しました。誰の心にも残る思い出の炭酸飲料。これからも長く愛されることでしょう!
この他にも会場では、各賞を受賞した各商品のブースがあり大盛況でした。
月刊「食品 新製品トレンド」編集長の武藤 麻実子さんによると「コロナ禍から忙しい生活に戻ったことから、飲料系を中心に時短で簡便な「ありそうでなかった商品」がヒットに繋がっている。またSNSで話題なったあと、リピートして売上が継続している商品もひとつのポイントとなった」と話していました。
今年は「ありそうでなかった」発想や、社会貢献の仕組みが入った商品が評価された印象でした。来年はどんな食品がヒットするのか楽しみですね!