【北海道・旭川】大漁旗はどうやって作る? 創業120年の老舗染工場に潜入

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北海道旭川市にある「近藤染工場」は、1898(明治31)年の創業以来、120年にわたって職人が刷毛を使って手作業で染める「刷毛引き本染め」の伝統を守ってきた老舗の染工場です。

本記事は世界文化社運営のメディア「レアニッポン」にて2018年10月に掲載されたものですが、「レアニッポン」閉鎖に伴い、当ブログに記事を移行し加筆しました。

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近藤染工場へ

新しい船の進水式の際、漁師仲間から大漁旗が贈られる文化が今も残る北海道。こちらの店舗では一枚物の大漁旗はもちろん、のれん、のぼり、半纏、横断幕、など多岐にわたる染め物の製品が作られています。観光客には、手ぬぐいや風呂敷が旭川土産として人気です。

20色〜30色ほどで染められるカラフルな大漁旗のサイズは、主に130×180cmのものが主流。大きいものになると一辺が300cmを超えるものもあるそうです。 北海道の漁船の多くは一艘あたり20枚〜30枚ほどの大漁旗を所有し、帰港時に掲げます。

20色〜30色ほどで染められるカラフルな大漁旗のサイズは、主に130×180cmのものが主流。大きいものになると一辺が300cmを超えるものもあるそうです。 北海道の漁船の多くは一艘あたり20枚〜30枚ほどの大漁旗を所有し、帰港時に掲げます。

近藤染工場の裏側へ潜入。下絵~のり置き~乾燥の工程

大漁旗の染めの工程は2日間かけて作り上げていきます。 まずは依頼者とデザインの打ち合わせをした後、3代続くという専門の下絵師が下絵

大漁旗の染めの工程は2日間かけて作り上げていきます。 まずは依頼者とデザインの打ち合わせをした後、3代続くという専門の下絵師が下絵

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その下絵を工場内に広げて張り、「のり置き」という作業が行われます。これは染めずに地色をそのまま残す部分に防染糊を染み込ませる工程です

その下絵を工場内に広げて張り、「のり置き」という作業が行われます。これは染めずに地色をそのまま残す部分に防染糊を染み込ませる工程です

防染糊料は、もち米、米ぬかなど自然の材料で作られたのり。専用のしぼりに入れ、のり置きしていきます。 ムラなく一定量ののりをのせるのは熟練した職人の繊細な技術が必要です

防染糊料は、もち米、米ぬかなど自然の材料で作られたのり。専用のしぼりに入れ、のり置きしていきます。 ムラなく一定量ののりをのせるのは熟練した職人の繊細な技術が必要です

近藤染工場の皆さん

のり置き後は、サウナのように暑い乾燥室でのりを乾かします

のり置き後は、サウナのように暑い乾燥室でのりを乾かします

翌日は、いよいよ染めの工程

色や絵柄によって使い分けるという刷毛

色や絵柄によって使い分けるという刷毛

水洗いの工程では大雪山系の綺麗な水を使ってのりを落とし、最後に縫製すれば大漁旗のでき上がり! 大漁旗は年間数百枚の注文があるそうで、今ではお子さんの誕生祝いや長寿のお祝いに大漁旗を贈る方もいるそうです。

見よ! この勇ましい雄姿を。 写真提供/近藤染工場

見よ! この勇ましい雄姿を。 写真提供/近藤染工場

撮影/武蔵俊介

近藤染工場

住所:北海道旭川市1条通3丁目右1号
営業時間:8時〜17時
定休:日曜、祝日(土曜不定休)
URL:http://www.kondo-some.co.jp/

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