「シネマズ by 松竹」さんのご招待で2015年1月31日(土)から公開の松坂桃李さん主演、映画「マエストロ!」を見てきました。ネタバレなしの感想をお伝えします。
俳優陣がガチ演奏で挑むオーケストラ
映画「マエストロ!」は一度解散した名門オーケストラの再結成のお話です。自らを「負け組」と称する楽団員たちにふと沸いた再結成話。廃工場に集められた楽団員たちの前に現れた謎の指揮者、天道徹三郎。彼はいったい何の為に楽団員達を集めたのか、再結成コンサート当日、本当の秘密が明らかになります。
コンマス(コンサートマスター)香坂真一に扮する松坂桃李さんはじめ、メインキャストは今回の映画の為に担当する楽器を数ヶ月前から練習して撮影に挑んだそうです。劇中の練習シーンやコンサートシーンは俳優陣が吹き替えなしで実際に演奏しているところが映し出されているのでとてもリアリティがあります。
特に今回初めてヴァイオリニストを演じた松坂桃李さんはアップの演奏シーンが多いため基礎的な練習から実践に至るまでかなりの練習時間を経て本番に臨んだそうです。ヴァイオリンの音を響かせるために弦を抑える指を揺らすヴィブラートなど所作は本当にプロのヴァイオリニストのようでした。
西田敏行が映画のタクトを振る
そして今回の再結成を企画した謎の指揮者、天道徹三郎に扮するのは名優・西田敏行さん。その圧倒的な存在感と破天荒な天道のキャラクターはなかなか演じられる俳優さんは少ないと思います。しかしそれを自然に見せてしまうところが西田さんが名優と呼ばれる所以ではないかなと思います。指揮指導には現在、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の客演指揮者を務める佐渡裕さんが直々の指導をしていてコンサートシーンではよりダイナミックな指揮を西田さんが演じているのが見どころのひとつです。
今回劇中で50人のオーケストラが演奏するのはベートーベンの「運命」とシューベルトの「未完成」です。どちらも誰でも知ってる楽曲なのですが人が違えば音も違います。そして同じオーケストラでも指揮者が違えば全く違う音になってしまうそうです。
映画「マエストロ!」では楽団員の人間関係や複雑な事情や苦悩、過去の悲しい記憶が複雑に交差する50人のオーケストラをまとめ、その時にか奏でられない一瞬の音を作り出していくクライマックスのコンサートシーンはとても見応えがありましたよ(^^ )