自転車で巡る西美濃の歴史・自然・アート 岐阜羽島から大垣までサイクリングのススメ

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こんにちは、はじめまして。東京散歩ぽに初めて寄稿する奥野大児(X:@odaiji)です。

岐阜県は、戦国時代ファンにとって特別な県です。

織田信長が天下統一を見据えて拠点にした岐阜城があり、信長の野望を本能寺で終わらせた明智光秀の出身地(諸説あり)であり、豊臣秀吉が出世の糸口をつかんだ逸話がある墨俣一夜城があり、日本の戦国史最大の戦い・関ケ原の合戦が起こった場所が、岐阜県です。

岐阜県の新幹線停車駅は「岐阜羽島」駅。岐阜羽島は凸字型をしている岐阜県の下辺やや左寄り、滋賀県との境に近い西濃・西美濃といわれるエリアにあります。このたび、岐阜羽島駅から大垣に至る西美濃でサイクリングするプレスツアーが岐阜県主催で行なわれ、これにお招きいただきました。急坂が少なく走りやすいエリアで、

新幹線で駅へ。駅を降りて西美濃を自転車で巡る

岐阜旅を楽しめました。

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BLOCK47で自転車を借りる

岐阜羽島駅から徒歩5~6分のところに、BLOCK47-Cycle(ぶろっくよんじゅうななさいくる)があります。

ここではサイクリングのための自転車やヘルメット・グローブをレンタルでき、併設しているカフェでは地元の食材も使ったヘルシーな食事を楽しめます。

自転車は疲れにくい電動アシスト自転車・利用シーンが豊かなクロスバイク・快適に走行しやすいロードバイクなどから選択できます。15分の試し乗りレンタル(500円)から、機材レンタルに加えツアーガイドを含めたレンタルなど、自転車を体験できるメニューがたくさん。

普段GIANTのクロスバイクに乗る僕は、Bianchiのクロスバイクをお借りしました。グローブ・ヘルメットも同時にレンタル。

バイクの調整はスタッフの方がていねいに付き添ってくださいます。フレームのサイズ確認や運転しやすいサドルの高さ調整も行なってくれ、サイクリングを楽しくできる準備は万全です。

併設のBLOCK47-Eatsで食事を摂ってからサイクリングに出かけることに。

私が注文したのはBLOCK47飛騨牛100%贅沢バーガーPLATE(2,500円)にセットドリンク(200円)・セットデザート(300円)です。

プレートは豪華で彩りも美しく、見た目からヘルシーさが伝わります。これに加えてサラダバーまであるため、野菜を思う存分に堪能できます。

飛騨牛を使ったパティは厚く、自分の口だとかぶりつくのは難しそうでした。ナイフとフォークを使って頂きました。肉汁も豊か、肉々しさも満点で食べ応えバツグンでしたよ。

サイクリングで西美濃を走る

おなかも満ちて、いよいよサイクリングです。BLOCK47のサイクルライフアドバイザー・山口貴司さんを先導に、隊列を組んで無理のないペースで走りました。

西美濃は濃尾平野が広がっていて、全体的に平坦で走りやすいエリアです。長良川を渡る橋では一瞬だけ新幹線と併走することもできました。あっという間に置いて行かれましたけれど。

墨俣一夜城を見て出世祈願

まず訪れたのは墨俣一夜城。岐阜羽島からは長良川沿いの道を北上してアクセスできます。

織田信長が難攻不落の稲葉山城(いまの岐阜城)を攻めるにあたって足がかりが必要で、その拠点を若き日の豊臣秀吉が作ったとして有名です。写真の右手おくには、攻めるための岐阜城がある金華山がうっすらと。

お城の形になっているのは現代になって建てられた歴史資料館だからであって、当時は柵を組み立てた砦のようなものだったとされていますね。諸説あり、詳細な場所も確定はしていないそうです。ただ、この地は長良川とその支流が複雑に入り組むところで天然の要害ともいえ、ここに拠点を作れれば攻める側も守る側も楽だろうなと想像できる場所でした。

時間の都合で中には入れませんでしたが、「太閤出世橋」と名付けられた橋があるのがわかりました。私も出世したい!

なお、BLOCK47から墨俣一夜城に至るまでの道のりは、桜のトンネルあり、長良川に並行に通る歩行者・自転車専用の土手ありと、サイクリングにぴったりでしたよ。

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岐島屋百貨店と美濃路墨俣宿脇本陣跡

墨俣一夜城からほど近い岐島屋百貨店は、大正時代から営業している商店で、当時の建物を利用しています。お店の方のご厚意で、サイダーを振る舞っていただきました。

手作りのつりびなが店内いっぱいに吊るされているのが印象的でした。

2階は吹き抜けがあり、当時はこのスペースを使ってファッションショーなども行なわれていたのだとか。

デザインつきのガラスもモダンで、大正時代のこのお店が流行の先端を行っていたのではないかと想像できます。

隣接する美濃路墨俣宿脇本陣跡は、鎌倉街道や美濃路の宿場町として栄えた墨俣の名残を感じられる場所です。こちらは明治24年の濃尾震災で倒壊したあとに建てられたという古民家。

これから宿泊できる施設としていこうと手を入れているところでした。

特別に中に入らせていただきましたが、お庭も美しく、ここで宿泊したら時の流れがゆっくりになりそうな、そんな落ち着いた風情のある場所でした。

結神社と加賀野八幡神社井戸

墨俣を後にして西へ向かい、古くからある神社に立ち寄りました。

信長の有名な戦いの一つに「長篠の戦い」がありますね。屈強な武田騎馬軍を何千もの鉄砲隊で打ち破った、あの戦いです。

信長が長篠の戦いに向かう際に戦勝祈願で訪れたのが結神社。今は神社の名前にちなんで縁結びの神社としても人気のスポットなのだとか。

加賀野八幡神社にはこんこんと湧き出る井戸がありました。1分あたり300リットルも湧き出る水量の多さと水質の良さから「平成の名水100選」に選ばれています。

訪問時に居合わせたご近所の方は大きなポリタンクに水を詰め、キャリーカートで車に運び込んでいいました。聞いてみると食事にもお茶を飲むのにも使うそうです。利用されている方々のマナーもよく、みんなで守っているのが分かる井戸でした。

この日は35度近い気温の中、サイクリングをしていました。僕も空になったペットボトルに井戸の水を補給して熱中症対策を。美味しくて、ボトル一本分くらいの水はその場で飲んでしまいましたけれど。

大垣城の天守に登る

由緒ある神社を巡ってさらに西進し、大垣城へ。関ケ原の合戦の前哨戦として大垣城の攻城戦が始まったのは9月14日。その423年後の同日に訪れたのも、大垣城への想いが強くなります。なお大垣城は関ケ原の合戦後も抗戦を続け、9月23日に降伏・開場しています。

関ケ原の合戦に関係する説明の中で「石田三成の戦略」「(徳川)家康の謀略」といった表記をみつけ、西軍ひいきの地なのかな、などと思えて楽しくなってしまいました。土地に根強くのこる好意はあるもので、ちょっとしたことからその土地の人々の気持ちに想いをはせるのも、歴史の地を探訪する楽しみの一つでもあります。

こちらは大垣城の天守から西側=関ケ原方面を望んだところ。現代のビル群が無ければ、進軍したり戦っていたりする軍勢をあるていど見られたのかもしれませんね。

サイクリングの締めは抹茶ソフトクリームで

約4時間半に渡るサイクリングの締めは、大垣駅近くのお茶の名店「お茶のすいぎょく園」名物の「グリーンソフト」(300円)です。

ツアー一行が訪れた際にも母娘が購入しに来ていて、町の人々が日常的に愉しんでいるのが分かります。この色をみても緑が濃厚なのが分かりますが、口にしてみても、抹茶の味が濃厚なのがわかります。

サイクリングで火照った身体を冷やし、糖分を補給し、見た目も味も楽しい。コーンを食べきるまで時間はかかりませんでした。

道中に点在するウォールアートを見て回る

今回のサイクリングでは、岐阜羽島の駅から長良川・揖斐川を渡って大垣に向かいました。その長良川と揖斐川の間には安八町という町があり、この町出身のストリートアーティスト・RoamCouch(ロームカウチ)=小川亮さんによるウォールアートが点在しています。

2014年から小川さんは安八町に無償でウォールアートを描くプロジェクトを進めていて、点在する作品は十数点にも及ぶそう。そのうちの4点を見て回りました。

先ほどまで桜並木をみていたのに急に現れた作品、駐車場に入ったら視界にはいってくる作品など、本当に町中にアートが溶け込んでいるようでした。これらをコンプリートするためにサイクリングするツアーも面白そうです。

岐阜羽島の新しいアクティビティに

BLOCK47から大垣駅あたりまでは直線距離でおよそ10キロ。さまざま移動した今回は併せて22キロほどのサイクリングでした。

このサイクリングを体験することで、岐阜羽島駅から西美濃の各地を回る楽しさを知りました。長良川の土手や墨俣の町並みは自転車の速度で走るからこそ楽しみが増えるものですし、ウォールアート巡りは電車やバスの旅では絶対に出会えないものです。

旅先で自転車を借りてぐるっと回るのは楽しいことですし、戦国時代ファン・現代アートファンなら西美濃をぐるっと回ってみる楽しさがあると思いますよ。

今回のサイクリングコースはこちら!

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